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んでは恥ずかしいけど解説を。

ポアロさん再度コメントありがとうございます。

やはりちょっとわかりづらいでしょうか。さすがに自分でボツにしただけのことはあります。(^-^;
そういう作品に解説をつけるのも…とは思いますが、一応狙いだけわかってもらうために。笑わないでくださいね。

あ、後で出した方でやります。こっちの方が簡単でわかりやすいので。

<作意手順>
▲55馬
この手が狙いの一手です。

△同龍 ▲87銀 △同玉 ▲88歩 △同銀生
▲96銀 △86玉 ▲68馬 △77桂成…で下の図。
tochu1

ここで87歩は打歩詰ですが、ここから▲85飛 △76玉 ▲58馬 △同龍 ▲75飛 △86玉とすると次の図のようになり、
tochu2
77成桂を縛っていた馬が消えたので以下▲87歩 △同成桂 ▲95銀で詰みます。この縛り駒を消す手筋は最初にこの筋を発見・作図した故森田銀杏氏の名を取って森田手筋と呼ばれています。素晴らしいマジックのため作例は数知れないほどで、私も過去に1作発表しています。後半11手だと作品価値が…と書いたのもこのためですね。

さて、初手の55馬が狙いと最初に書きました。ではこの手を省略するとどうでしょう。実は途中まで全く同様に進みます。で▲68馬に対して今度は玉方は下図のように△77桂生とします。
tochu3
これだと68馬を消しても87歩は依然として打歩詰のままで失敗します。初手55馬は56龍の67への効きをそらすことで85飛~67馬の筋を見せ、桂成を強制するという意味づけになります。名付けて「森田手筋を回避するための生移動合を予防する伏線手」…我ながらよーわからん。(笑)

最初は「森田手筋を回避するための生移動合」のところで辞めておきたかったのですが、収束が全くまとまらず、やむを得ず更に狙いを掘り進めた、というのが真相。構想作の作図では非常によくある話です。(…と思います。きっと私だけではないはず。そうでなかったら悲しすぎる)

弱点は一杯あります。なんといっても他に馬が活用できる見込みが無いので、初手がどうみてもこの一手、というのがツライ。それなりの誘い手があれば、この狙いももう少し気付いてもらえやすいはずですが…。次回はもう少しわかりやすいのを出しますです。
あ、えーと、最初に出した図では初手45銀がここで書いた55馬の意味づけになります。念のため。


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コメント

わかりやすく解説をしていただき,ありがとうございます。勉強になりました。
森田手筋は,私も詰パラで発表しています。
9手詰ですので,たぶん最短記録だと思います。
 攻方:17銀,27香,35香,45飛,46桂
 玉方:12角,14歩,15玉,22香,28歩,41飛
 持駒:角,歩
龍の利きはずしの45銀かと思っていましたが,奥が深いですね。
私はトリック作が得意です。マラソンで、玉方応用銀先銀歩を拒む歩生という作品で、半数を転倒させました。
でも、今はコンピュータに謎を解かれてしまいます。
少し、悲しい。

>でも、今はコンピュータに謎を解かれてしまいます。
>少し、悲しい。
そうですねぇ、私も一時期それでだいぶ駒から離れました。でもクロスワードパズルとかを考えてみると、コンピュータで解いた方が早くても自分が楽しいから自力でやる人がいるわけで、それと同じかな~と最近割り切れるようになりました。

ポアロさんの9手詰、面白かったです。2手目の変化がいいですね。理論上は7手が最短なのかな?確か大野雄一氏作であったかと記憶しております。
ちなみにフェアリーだと5手が最短らしいです。

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