すべF
なんだこのタイトルは?と思われる方が圧倒的かと思います。これは森博嗣という作家のデビュー作、「全てがFになる」のマニアの間の略称です。前に紹介した「十角館の殺人」と同じく、講談社文庫の100冊に選ばれています。(う~ん、やはり違和感が消えない)
この作品を読んだときは本当に驚きました。ミステリというとまあ大体殺人とかを扱っているせいもあって、下手な小説よりもよほど社会性や人間性にあふれたものになるのですが、この人の小説は極限まで理系的です。しかもそれでありながら文章はライトタッチでかつウィットに富んでいます。トリックを考える以前にまず小説としてはまってしまいました。で、タイトルの意味はって?それは教えられません。(笑)
ちなみにこの小説は第1回メフィスト賞を受賞していますが、実はこの賞、森博嗣のデビューのためにわざわざ作られた賞なのだそうです。それだけのことはある、と断言していいのではないかと思いますね。
他の作品も佳作揃いです。特に伏線の張り方のうまさは絶品。一度構想物の詰将棋とか作らせてみたい人ですね。(笑)
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