詰将棋学校好作選43
6月ももう半ばですね。順位戦の解答がなかなか進まず、今月も全コーナー解答は厳しいかなあ。
さて、詰将棋学校好作選は本日から2018年下半期。今日は鮎川氏の長編趣向作です。
▲75と△54玉▲63馬上△同金
▲65金△54玉▲63馬△46玉
▲45金△同龍▲同馬△同玉
▲56銀△同玉▲66飛△45玉
▲55金△同玉▲65と△44玉
▲45歩△同玉▲47飛△34玉
▲35金△同玉▲36飛△25玉
▲27飛△26桂▲同飛寄△34玉
▲35歩△44玉▲45歩△同玉
▲47飛△35玉▲36飛△24玉
▲25歩△14玉▲15歩△同玉
▲16飛△25玉▲27飛△34玉
▲35歩△44玉▲45歩△同玉
▲47飛△35玉▲36飛△24玉
▲25歩△14玉▲15歩△同玉
▲17飛△16歩▲同飛寄△25玉
▲27飛△34玉▲35歩△44玉
▲45歩△同玉▲47飛△35玉
▲36飛△24玉▲25歩△同玉
▲27飛△26桂▲同飛上△14玉
▲15歩△同玉▲27桂△14玉
▲16飛△24玉▲25歩△同玉
▲26飛左△34玉▲35歩△44玉
▲46飛△53玉▲56飛△62玉
▲52飛成△71玉▲83桂△81玉
▲93桂まで101手。
冒頭20手が序奏で、17手目すぐに47飛としたくなるところ、いったん55金~65とで玉方55歩を消しておきます。これで45歩に対して53玉と引く手に56飛を用意します。ただ、56飛に62玉以降の手順も52飛成、71玉、72歩、82玉、87飛以下と結構指しにくい手順になっています。
作意は45歩、同玉に47飛で2枚飛による知恵の輪になります。ポイントとなる形は36飛・25玉型での27飛で、ここで26桂合を入手することが出来ます。ただ、1回目は流れで実現するのですが、2回目は36飛、24玉、25歩に14玉とし、先に16桂を犠牲にして延命を図ります。これに対しては27飛からまた一旦左に追い、47飛・36飛型を作りますが、次も25歩に14玉とする手が成立します。そのタネは15歩、同玉、17飛に更に16歩捨て合とする手。これで36飛を動かして36飛・25玉型を防げるわけです。
もう一度47飛・36飛型を作って25歩とすると、今度は14玉とする手には15歩、同玉、16飛、25玉に17桂とする手があり早くなります(詰方からすると17歩を消した効果ということ)ので、ようやく25同玉、27飛で最後の桂を入手して収束に向かえる、という仕掛け。44玉に45歩と叩く歩がなくあれっ?と思うかもしれませんが、45歩と叩かなくても46飛に適当な合駒がないので、53玉とせざるを得ず、最後は入手した桂2枚で桂ツルシ。
精緻に出来た趣向作なのですが、残念ながら89手目収束に向かうところで17桂からの余詰が成立。作意順がギリギリの手順で、残り駒の制約もあり修正困難、とのことでした。今回少し調べてみましたが、序の4手をカットして、玉方22歩→21歩、11角配置すれば33香に紐がつくので余詰順は防げそうではあります。
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