詰将棋学校好作選22

 詰将棋学校好作選は半期賞選考時に担当者の方がコメント言及した作品を選んでます。……と言い訳した上で。


20240707ichishima
▲22金△同銀▲34香△33銀
▲同香成△同玉▲42角成△34玉
▲44銀成△同玉▲26角△同香
▲45銀△35玉▲36銀上△46玉
▲24馬まで17手。
 初手いきなり金を手放すのがやりにくい一手。34香が継続手で、33歩合等では42銀成、21玉、22角成、同玉、31角で早詰。角銀は品切れで、31に効かす33飛合は42銀成、21玉、22角成、同玉、33香成、同玉、43飛以下で同手数駒余りです。
 質駒を逃がす33銀移動合を食いちぎり、44銀成と捨てて26角が狙いの限定打。香を跳ね上げることで、最終手の24馬が成立します。
 純逆算で、銀4枚使っての序奏は賛否分かれるところでしょう。実は昔は「ちょっと無理あるな」と思っていた逆算でしたが、今見てみるとちょっとした意外性と適度な難易度で、比較的好ましいコになりました。将来作品集を編むときには必ず入れたいと思います。


詰将棋学校好作選21

 全国大会が近づいて参りました。冬眠蛙は前日に国立競技場でサッカー観戦することにしました。どちらも楽しみです。ただ、見に行った試合の勝率悪いんですよね。ちょっと心配です(笑)。


 今日は学校好作選。長編趣向作です。
20240623kondo


▲31銀打△12玉▲44桂△23銀
▲同銀成△同成銀▲13歩△同玉
『▲79馬△24銀▲22銀打△12玉
▲13歩△同銀▲同銀成△同成銀
▲21銀△23玉▲32銀生△12玉
▲78馬△23銀▲同銀成△同成銀
▲13歩△同玉』
『▲68馬~▲67馬~△同玉』
『▲57馬~▲56馬~△同玉』
▲46馬△24銀▲22銀打△12玉
▲13歩△同銀▲同銀成△同成銀
▲21銀△23玉▲45馬△34歩
▲32銀生△12玉▲34馬△23銀
▲同銀成△同成銀▲13歩△同玉
▲35馬△24銀▲22銀打△12玉
▲13歩△同銀▲同銀成△同成銀
▲21銀△23玉▲24歩△同馬
▲32銀生△12玉▲34馬△23銀
▲22銀成△同玉▲23銀成△同成銀
▲32桂成△12玉▲13歩△同玉
▲24馬△同成銀▲22角△23玉
▲24飛△同玉▲35銀△25玉
▲26銀打△36玉▲37金△45玉
▲46金△54玉▲55金△53玉
▲44角成まで123手。



 成銀配置と持駒の歩、更に79馬配置で「歩を消費しながら成銀を操って馬鋸で近づくのかな」と慣れた方なら気づくかもしれませんが、この作者は更に欲張った味付けを用意していました。それが『銀合を2回繰り返し、その銀を剥がしながら近づく馬鋸』。44桂に23他合は21銀生から32桂成で、79馬に24他合は22銀~13歩で成銀を剥がして22銀打以下で詰みますので32桂成と13歩を取るために銀合が必要で、その銀を取ってまた打つことで馬で王手できる筋を空けることが出来る仕掛けです。
 近づくごとに2歩消費する仕組みで、最も近い35まで行くことでちょうど10枚使い切る……と実は失敗。途中45馬のタイミングを一路早め、34歩合を強要して同馬~35馬と引くのが正しい追い方で、これで1歩を稼ぎ、最後にその歩で13に吊り上げて24馬から収束に向かいます。最後は打った金が55までスルスルと上がって44角成まで。銀のスクリーンの開閉が機械仕掛けのようで面白い表現になっていると思います。

詰将棋学校好作選20

 妻の実家で網戸の張替をしてきました。久しぶりにやったのでやり方だいぶ忘れてましたが、なんとか完了。DCMで買った網押えゴムの太さを間違ってしまったのですが、話したら快く交換してもらえて助かりました。同じミスやってる人結構いるんですかね。


 今日は詰将棋学校好作選です。当時なかなかの衝撃をもたらした作品です。
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▲55桂△33玉▲39香△同馬
▲34龍△42玉▲43龍△51玉
▲63桂生△61玉▲71桂成△同玉
▲83桂△81玉▲72銀△92玉
▲91桂成△同玉▲93香△同馬
▲41龍△92玉▲81龍まで23手。

 3手目34龍と追うのが普通ですが、42玉、43龍、51玉、63桂生、61玉で逃れます。ここで93馬の効きに打つ39香が狙いの遠打。23玉、15桂、13玉、63龍、24玉、23龍、15玉、26銀、15玉、25龍、27玉、37銀の変化のための限定打で、38歩合とかですと今度は同香、23玉に34龍で詰みですので同馬と取りますが、93馬の83の効きが無くなるので、34龍以下同様に追って、71桂成~83桂と打ち換える手が成立します。92まで追い込んで、91桂成~93香と今度は39馬を93まで呼び戻すのが作者の描いたストーリーでした。スイッチバックの表現手法が鮮烈で、当時高い評価を得た傑作です。
 発表時は玉方85歩・95と配置がなく、71桂成のところ、51桂成、71玉、61成桂、81玉、71成桂の迂回手順のキズが発生。修正案は作者ご自身によるものですが、今見ると85歩と95とのどちらか一枚でも修正できているように見えます。作者にお伝えできれば良いのですが。

詰将棋学校好作選19

 朝ドラ主題歌の米津玄師の曲が冬眠蛙好みドストレートで、あまりに気に入ったので久しぶりにギター練習しています。真面目に触るのは数年ぶりで、フレットを押さえる力が弱くなってて、ブランクを感じました。まあ元々全然素人なんですが(笑)。


 今日は学校好作選です。非常に高評価だったのですが残念ながら余詰だった短編作を。
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▲67飛△46玉▲58桂△55玉
▲54馬△同玉▲46桂まで7手。
 桂があれば打ってみよ、と48桂は同香成で、逆に28桂は46玉で打った桂が邪魔になって詰みません。ということで開き王手なのですが、飛成でも57飛でもなく、67飛と枠の外に動かすのが面白い一手で、46玉に58桂と香筋を遮断した後、豪快な馬捨てから両王手が作者の狙いでした。
 全手順が一本の線でつながっており、完成された作品なのですが、残念ながら初手77飛でも詰みで、また収束54馬で28馬と寄る手もあり、残念ながら不完全。修正も無理ではないのですが、2枚くらい追加しないと厳しそうです。
 この詰上りは有名な小林敏樹氏作にもあるのですが、発表時の結果稿において、小林氏の59香遠打に比べるとインパクトが薄い、という解説が行われています。ただ、個人的にそうかなあ、という気持ちはあります。59香で逃げ道を封鎖できているにも関わらずその枠の外に移動するのが正解、という意外性は短編ならではの世界だと思うんですよね。加藤氏は当時の超短編の名手の一人で、本作はまさに氏らしい調理がなされていると思います。ぜひまた作品を見せて欲しい作家の一人です。

詰将棋学校好作選18

 次の土曜の5月18日は詰とうほくです。仙台駅東口の生涯学習センター。今回はミーティング室にしてみました。少し狭いかもしれないですが、まずは問題ないレベルかと思います。初夏の仙台でお待ちしております。

 さて、本日は学校好作選です。力の入った中編をご紹介。
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▲82銀△同馬▲同桂成△同玉
▲91角△72玉▲73飛△81玉
▲93桂△同龍▲63角△92玉
▲72飛成△82歩▲同角成△同龍
▲74角成△93玉▲82龍△同玉
▲83飛△71玉▲72歩△同玉
▲73馬△71玉▲82飛成まで27手。

 身動きできない玉ですが龍と馬が強力にカバーしており、どのように手を付けて良いか迷うかと思います。71飛、81歩、同銀成でも相当に続きそうですが、わずかに届きません。82銀と精算しにいくのが思い切った手段。同龍は同桂成、同玉に84飛と馬に当てて打つ手があり早いので同馬ですが、同桂成、同玉(同龍は71飛~73角)に91角が目の覚める一撃です。同玉は73角、同龍は64角の筋で詰みで、72玉と銀を取るのが最善ですが、73飛~93桂~63角でようやく網に入れた感触がするところでしょうか。
 収束はやや流れましたが、コンパクトにまとまったいるので雰囲気を壊していません。端正な初形から読みの入った手順が展開される佳作中編です。

詰将棋学校好作選17

 今年はゴールデンウィークはハッキリ前後ろでわかれましたね。冬眠蛙は後半は新潟に帰る予定です。ということで今のうちに記事をあげます。今日は学校好作選。前回に引き続き短編になります。
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▲34桂△同歩▲52飛△13玉
▲14銀△同角▲25桂△同角
▲22飛成△同玉▲23金まで11手。
 端正な実戦形の初形ですが、左辺ががら空きでつい飛と打ちたくなるところですが13玉とされると41角の効きが強く届きません。初手34桂が後を見据えた妙手。同歩と取らせて52飛と打ち、13玉に14銀と捨ててしまうのが継続手段です。同玉は15金~25桂ですので同角ですが、25桂と捨てて角を誘導すれば、23の効きがなくなるので22飛成で元に戻して頭金が実現します。
 52飛は限定打で、33玉に45桂、44玉、53飛成、45玉、56金までの変化を用意しています。この変化で25銀の36の効きまで活かしているのも驚きで、33を開けたために52飛が限定になる仕組みも本当にうまく出来ていて、理想的な短編と思います。

詰将棋学校好作選16

間が空いてしまいました。年度末はいろいろ建て込みますね。

今日は詰将棋学校好作選。一桁モノです。暗算でチャレンジしましょう。解答・解説はコメント欄に付すことにしますね。
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詰将棋学校好作選15

 詰将棋学校好作選は『詰将棋パラダイスの代表コーナーである詰将棋学校から、賞に漏れた作品で「これは」という作品を紹介』するのが趣旨となっております。今回はそんな趣旨をふまえ、残念ながら発表時不完全だった作品ですが、まさしく「これは!」という作品を紹介します。
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▲54と△同玉▲53桂成△45玉
▲78角△67香▲同角△55玉
▲56歩△45玉▲55歩△同玉
▲57香△56香▲Ⓐ54成桂△同玉
▲53と引△55玉▲56香△45玉
▲44と△同玉▲43と△45玉
▲52香成△54玉▲53と左△55玉
▲57香△56香▲同香△45玉
▲44と△同玉▲43と△45玉
▲53香成△55玉▲57香△56香
▲同香△45玉▲44と△同玉
▲43成香△45玉▲53香成△55玉
▲57香△56歩▲同香△45玉
▲55香△同玉▲54成香△同玉
▲76角△45玉▲35と△同玉
▲36金△24玉▲25歩△14玉
▲23銀生△13玉▲14歩△23玉
▲33成香△同玉▲32角成△44玉
▲56桂△55玉▲65馬まで75手。


序奏で87に落ちている歩を取るべく、53とを捨てて53桂成とし、65地点を空けます。78角に55玉とすると、54成桂、同玉、87角、45玉、35と、同玉、36金、24玉、25歩、14玉、23銀生、13玉(変化図)、14歩以下で詰み。
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 ところが、実はこの変化を回避する妙防が玉方に残されていました。それが78角に対して67香合と捨て合する手。一見54成桂、同玉、76角以下同じようですが、上図の25に打つ駒が香になるので、14歩が打歩詰になる仕掛けです。逆に詰方は持駒が香をなんとか歩にすれば詰み。この構図が以下の56歩~55歩、同玉、57香に56香合とする仕掛けが生まれる、というわけです。
 56香合に同香、45玉、55香、同玉、57香では千日手になってしまいます。それを打開するのが45玉に対して、44と、同玉、43成桂として53地点を空け、53香成とする手を作ることですが、これだけだとまだ詰まず。実は56香合としたときに54成桂、同玉、53と引と52地点を空けるのが鍵で、これにより44と、同玉、43と、45玉のときに52香成と一歩奥まで成ることが出来ます。
 それだけですと意味がよく分からないですが、以下57香合、56香を繰り返した後、今度は53と左として4筋に追い、同じ手順を繰り返します。更に繰り返して43・52・53の駒を全て成香にするのが真の狙い。ついに55香に56歩合を強要することが出来て(下図)、待望の1歩を入手して収束します。
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 見事な作品でしたが、Ⓐで同香、45玉、44と、同玉、43成桂、45玉、53香成、55玉、57香、56香、同香、45玉、44成桂、同玉、43成香、45玉、53香成、55玉、57香、56香、同香、45玉、47香、46歩、55香、同玉、54成香、同玉、76角、45玉、46香、同桂、35と以下で余詰でした。これだけなら47歩配置だけでもなんとかなりそうですが、手順中43成桂のところ、54成桂、33玉、43成桂でも詰むようです。(以下22玉、32と、12玉、14香のときに適当な合駒がない)
 他にも迂回手順のキズもあり、修正は難しそうなのですが、高難度の玉方香先香歩を利用した駒の入れ替えパズルで、更に52と消去という構想に直結する鋭い狙いも入り、作者の熱さが伝わる作品でした。

詰将棋学校好作選14

 最近、ヨメさんとの協定で、毎週日曜は晩飯を作ることになっています。面倒は面倒ですが、その代わり自分が食べたいものを食べれるのは魅力。先々週はタイの酒蒸し、先週はキャベツとジャガイモのコンビーフ煮込み、今日はソラマメと桜海老のパスタ。見事なまでにバラバラです(笑)。来週はどうするかな。

 本日は学校好作選。重厚な作品をどうぞ。
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▲22銀△同角▲12銀△同玉
▲13銀△同玉▲16香△15歩
▲同香△同金▲23桂成△同桂
▲12飛△同玉▲24桂△21玉
▲41飛△31角▲22歩△11玉
▲31飛成△同銀▲21歩成△同玉
▲12角まで25手。
大量かつ強力な持駒ですが、32に逃げられることに配慮する必要があります。初手22銀に32玉は44桂~43銀で綺麗に詰み。3手目12銀に対して32玉と逃げられる変化が難物で、22角成、同玉、11角、32玉、33香、41玉(同銀は52飛以下)、61飛、51金、53桂、同銀、31香成以下早詰。なんとなく詰みそう、で済まない不詰感があるかと思います。
13まで引っ張り上げれば一安心で16香で合駒を聞きます。14合では25桂、同金、14香、同玉、15飛があるので15に合駒しますが、同香、同金のときに23桂成がちょっと気づきにくい好手です。同桂に12飛、同玉、24桂と追い、21玉に41飛と打てるのが23桂成で31桂を跳ねさせた効果。31歩合とかでは32桂成で簡単で、31角と移動合するのが最善の抵抗になります。また、このときに15の合駒は歩が最善だったことがわかります。22歩として角を取ればゴールです。
PCソフトが普及していない当時、この作者は似た系統の作品を多く出しており、異彩を放っていました。本作もそうですが、ただの難解とは違う手順としての面白く、多くのファンを獲得していました。ごく短期間で姿を消してしまいましたが、また作品を見せて欲しいものです。(仙台在住だったんですよね。詰とうほくにも来てほしいところです)

詰将棋学校好作選13

明日は詰とうほくです。13時より仙台市東口の生涯学習センター会議室です。先日積もった雪はほぼなくなっておりますが、気温は低めですので、ご参加の皆様、防寒対策をお願いいたします。


本日は学校好作選を。高校級のシブイ構想作をご紹介。
20240223taniguchi
▲44歩△42玉▲43香△33玉
▲23飛成△44玉▲45歩△同金
▲36桂△同金▲45歩△53玉
▲42香成△同玉▲24馬△同角
▲31龍まで17手。
 初手44香が普通ですが33玉とされて、以下23飛成、44玉、36桂、同金で打歩詰となり、以降どうやってもうまく打開できず不詰。そこで香を温存して44歩とします。42玉と踏ん張られて結局43香と使うしかないため、一見無駄に見えるのですが、33玉、23飛成、44玉の局面で43香が残っているのがポイントで、このため53地点が空いており、45歩~36桂~45歩とすることが出来る、という仕掛けです。
 42香成~24馬捨てで着地がピタリと決まっているあたり、流石谷口氏です。
 いわゆる歩香重ね打ち作品ですが、この時期に作者により様々な意味づけで作品が発表され、他の作家もそれに付随し、ちょっとした流行になりました。作品の完成度もさることながら、「こんな面白い手筋があるんだよ!」という主張を作品を通して表現し、トレンドまで作り出してしまうのはとても凄いことと感じています。