軽趣向好作選86

 前回記事について、その後ちょっと思ったんですけど、例図①で2筋の下の方に玉方の歩があったり、関係ないところに4枚香が配置されていた場合に「22合」だと正解なんですけど、「22歩」「22香」はやっぱり誤解になるんですかね。または極端な話全然関係ないところに歩以外の全部の駒が花駒として配置されているときは「22歩」以外は誤解?寒いとしょうもないこと考えちゃうんですかね(笑)。

 今日は軽趣向好作選ですが、資料フォルダに発表年月間違えて登録した作品があって、ちょっとだけ遡って紹介となります。
20221224takemura
▲45桂△同飛▲44と△同飛
▲45桂△同飛▲35角△52玉
▲64桂△同飛▲63と△同飛
▲64桂△同飛▲74角△同飛
▲62と迄17手。
 角が出る場所を塞いでいると金を消すため、桂をうまく使う手順は過去にもある手順です(筆者も1作ある)が、これを左右で繰り返す着眼が素晴らしい。まさにコロンブスの卵です。持駒趣向にもなっている上に使用駒にも統一感があり、完成品だと思います。

20221224tonami
▲23銀成△同玉▲41角△12玉
▲42龍△22桂▲同龍△同玉
▲32香成△12玉▲22成香△同玉
▲33歩成△12玉▲22と△同玉
▲32飛生△23玉▲36飛生△12玉
▲22金△同玉▲32飛生△23玉
▲35桂△同金左▲同飛生△12玉
▲22金△同玉▲32飛生△23玉
▲35桂△同金上▲同飛生△12玉
▲22金△同玉▲32飛生△23玉
▲35桂△同金▲同飛生△12玉
▲22金△同玉▲32飛生△23玉
▲35桂△同角▲同飛成△12玉
▲32龍△22桂▲21角△12玉
▲22龍△同玉▲32角左成△11玉
▲23桂△同銀▲12歩△同銀
▲同角成△同玉▲23銀△11玉
▲22銀成まで69手。
 密集形で一見23銀成、同玉で続かないように見えますが、41角がうまい手で取ることも合駒することも出来ず、42とを取らせるしかありません。合駒を食いちぎって香、歩を成り捨てて飛筋を通したところで飛生を繰り返すハガシ趣向が登場します。生の意味づけも簡明で、普遍性のある楽しい手順となっています。
 35桂に対して金で取る順番は非限定で、最後は同角とせざるを得ず収束に向かいます。この手順も趣向の延長のような雰囲気で、最後は14を塞いでいた銀も呼び出してはがし詰上がり。最終形と初形を対比したくなる逆算に拍手。

 今年は29日より実家に帰るため、年内の更新はおそらく最後です。皆さん本年もありがとうございました。来年1月1日に例年どおり特別出題を予定しております。ぜひご解答およせいただければと思います。よろしくお願いします。

軽趣向好作選86

 「鎌倉殿の13人」、いよいよ大詰めですねえ。今年のはここ数年の中で一番面白くて、毎週欠かさず見ています。一時は「この流れで本当に終わるのか」と思うレベルのペースでしたが、キッチリ納められるもので、感心しています。来年は久しぶりの家康主人公。単体での主人公だと滝田栄以来かな?これも楽しみです。

 本日は軽趣向好作選です。今回は短編2作品。
20221211suzukawa
▲46銀△同香▲66銀△同飛
▲56歩△同飛▲64銀生△同飛
▲67桂△同飛成▲44銀生まで11手。
 かなり印象的な初形で、飛香の効きを搔い潜れば詰むのは分かるのですが、相手にするのが飛なので、動いた後の横効きも注意しなければならず、頭が混乱しそうです。
 46銀と最初に4筋の香を動かすのが正解で、44銀生までの詰上がりを目指すのですが、9筋の飛の効きを外すために66銀~56歩と準備工作が必要で、先に62飛を動かすことで64銀生~67桂が成立します。この配置から4枚の銀全て動く手順を編み出すセンスに拍手。

20221211fukawa
▲37金△同桂成▲47銀△同成桂
▲46金△同成桂▲45銀△同成桂
▲37金まで9手。
 8手かけて盤面の桂を成桂にする魔法のような手順。原型で駒を成駒に変換するテーマ自体は類例も多いのですが、桂を成桂にするのは創作難易度はかなり高い。それを極限まで配置も紛れもそぎ落とし、純粋にテーマだけを抽出して表現することで、より多くの人に楽しんでもらえる作品に出来たのは素晴らしいと思います。
 盤面七色の生駒配置で遊び心を徹底しているのも小憎らしい演出で、短編趣向の傑作です。

軽趣向好作選85

 W杯、今年は全試合中継ということで、夜の時間つぶれちゃいますねえ。今日の日本は残念でした。


 今日は軽趣向好作選。軽めと重め?の2作品。
20221127tonami
▲21銀△22玉▲32銀成△同金引
▲12金△同玉▲21銀△22玉
▲32銀成△同飛▲12金△同玉
▲21銀△22玉▲32銀成△同金
▲12金△同玉▲21銀△22玉
▲32銀成△同玉▲31金△22玉
▲42龍まで25手。

 21銀から金を取るしかない形で、金を取れば簡単そうですが、同金引で馬の効きが11まで通るため21金は詰まず、結局12金から剥がす手順を繰り返すことになります。次の32銀成に同飛は少し意外ですが、よくよく考えると飛を後に残すと、最後の32銀成、同玉のときに42飛で1手詰でした。収束は呆気ないですが、馬の効きと後で渡す駒を弱くするというごく単純な理屈で手順を完全限定に出来ているのは巧いですね。

20221127kaneko
▲38銀△同角生▲47金打△同角生
▲36金打△同角生▲17飛△27歩
▲同飛△同角生▲47金打△26玉
▲15銀△25玉▲36金上△同角生
▲35金△同角▲26歩△同角
▲14銀△24玉▲25歩△同角
▲13銀生まで25手。

 作者名と持駒で尻込みしそうですが、38銀と取ってみるとごく自然に手が繋がることがわかります。同角成でも47金打以下1回転する手順になるのですが、作者が用意したのはなんと角生での1回転。15銀、25玉の局面でその意味が判明します。以下の捌きも見事で、特に打った金を36に捨てて後の打歩詰を予防するあたり、感心あるのみです。
 2手目48玉は49金、同と寄、27銀以下で力押しの手順で詰み。この変化が作意に比べてだいぶ重いので、冬眠蛙だったら(好みの問題ですが)46をと金にした上で詰方29金、玉方38銀配置にしたかもしれません。いずれ、成でも生でも一回転成立できる構図はなかなか得難いもので、打歩モノで一世を風靡した作者らしい作品です。


軽趣向好作選84

 次の土曜は詰とうほくです。駅東口の障害学習センターの会議室といういつもより小さめの場所になります。あ、まだ会費払ってない。ちょっと事前に行く暇ないので、当日行くしかないか。

 本日は軽趣向好作選。
20221113ueda
▲42香成△同香▲62銀成△同玉
▲35角△同と▲69飛△68と
▲同飛△67と▲同飛△66と
▲同飛△65と▲同飛△同桂
▲63歩△52玉▲44桂△同香
▲53歩△42玉▲33桂右成△31玉
▲32歩△42玉▲52歩成△同歩
▲53桂生△同歩▲42歩△51玉
▲52歩△同玉▲43金△51玉
▲41歩成△同玉▲42金まで39手。

 香・銀・角と捨てて69飛とと金を取ったとき、美しいと金の4連合が登場します。歩合ですと、63歩から5筋に飛が戻って詰みという至って明快な論理です。これを全部取りきって、手にした5枚の歩を潤滑油に、盤上に置いた駒をうまく捌きながら詰ます手順は流石と思わせる内容です。少し考えさせる序奏~明快な主題~最短手順での収束と小品ながら上田氏の美学がうかがわれる作品です。


軽趣向好作選83

 コロナからは復帰しました。少し喉に違和感が残りますが、ほぼ後遺症らしきものはなく一安心。遅まきながら4回目のワクチン接種の案内が来ました。インフルエンザも気を付けないと。

 今日は軽趣向好作選を。
20221030uma
▲13桂打△同龍▲同桂生△12玉
▲22飛△同玉▲21桂成△同玉
▲22歩△同玉▲23香△12玉
▲14香△13桂▲同香成△同玉
▲25桂△12玉▲22香成△同玉
▲33桂成△同香▲32馬△12玉
▲14香△13桂▲同香成△同玉
▲25桂△12玉▲23馬△同玉
▲33金△12玉▲13桂成△同玉
▲14香まで37手。

 まずは13の龍を桂の重ね打ちから入手しますが、13桂・12玉型では結局22飛~21桂成と捨てるしかありません。駒不足が不安になりますが、22歩~23香~14香としてみると桂合しかないため、25桂を再生することができます。
 ここから33香を取り、32馬~14香とすれば、また桂合しかありません。25桂と据えて23馬が決め手。最後また打った桂を成り捨てる収束も気が利いています。コンパクトな形から細かいやり取りが楽しめる、まさに軽趣向の好作です。

軽趣向好作選82

 週末は出張で高松に行っておりました。土曜日は移動のみだったので、午前中に栗林公園へ。天気が良く、暑いくらいですが風景の美しさに心を洗われる思いでした。

 本日は軽趣向好作選です。
20221016ashita
▲64角△53飛▲同角成△同龍
▲11飛△21桂▲同飛成△同玉
▲54角△43飛▲同角成△同龍
▲11飛△同玉▲23桂△同銀
▲22と迄17手。

 54龍の効きが強く、64角は同龍なら42角~51桂成、という狙いですが、これに53飛合とすることで、今度は3段目に移動した龍の横効きを外すのが主眼となります。11飛に対する21桂合は逆王手ですが、実はこれが一番手数が伸びる合駒という意味。54角と龍筋をそらそうとする手にしつこく43飛合としますが、11飛~23桂とすれば龍の横効きが消えて詰みに至ります。
 難しいわけではないですが、徹底した攻防から綺麗に着地する、気持ち良く解ける好作です。

 

軽趣向好作選81

先週の3連休は久しぶりに新潟に帰ってノンビリしてました。街中がだいぶ変わりましたね。せっかくなので、今年調子の良いアルビレックス新潟の試合を見に行きたかったのですが、都合が合わず残念。

今日は軽趣向好作選。角2枚型の2作品です。
20221002nishimura
▲22角△97玉▲32角生△98歩
▲同香△86玉▲87歩△75玉
▲76歩△64玉▲65歩△53玉
▲54歩△42玉▲43桂成△同龍
▲同角成△同玉▲33飛△44玉
▲36飛成△54玉▲34龍△65玉
▲45龍△76玉▲56龍△87玉
▲67龍△98玉▲99歩△89玉
▲87龍まで33手。

 角を遠打してください、と言わんばかりの初形で実際遠打するのですが、22角とするのがポイントです。この後、43角成や32角成としたくなるのですが、86玉から歩で追ったときに打歩詰。ひねって21角成としても54歩、42玉、43桂成に51玉で届きません。32角生は51玉に52成桂、同金、41飛を用意した手で、43桂成に31玉とさせないために初手22角が限定となる仕掛け。これで飛を入手し、あとは追い戻しで気持ち良く……というところで、実は罠がありました。32角生としたときだけ、2手目98歩の手数延ばしが成立しています。最後98玉まで追い戻して99歩から87龍まで。謎解き作品としても上質な仕上がりの良作。

20221002mizukami
▲41角△21玉▲13桂△12玉
▲22金△同玉▲34桂△同龍
▲31角△33玉▲32金△23玉
▲22金△13玉▲25桂△同歩
▲23金△14玉▲12金△24玉
▲13角成△33玉▲32角成△同玉
▲22馬まで25手。

 こちらは趣向的な手順が出そうにないのですが、41角から細かく捨てて31角と焦点に打ち付けると、いつのまにか金鋸的な手順の舞台装置が完成している、という仕掛け。25桂と小技を挟んで23金から12金とソッポに移動し、角成から角捨ての収束も完璧です。
 2手目42玉は64角以下、33玉は44金、同龍、22角以下。最低限の配置で趣向を構成する角2枚を盤上から消す技巧はさすが編集長。もっと作品を発表してほしいものです。


軽趣向好作選80

 今日はお昼に床屋に出かけました。近くにデパートがあるのですが、ものすごい行列が。なんだろうと思ったら、甲子園で優勝した仙台育英が白河を越えて持ってきた優勝旗の展示なんだそうです。今日は最長2時間半待ちだったとか。まあ確かに見てみたいっちゃー見てみたいですかね。この週末はジャズフェスも規模縮小ながら再開され、ようやくアフターコロナの空気感が出てきました。

 さて、今日は軽趣向好作選。今回も軽めの楽しい2作品。
20220911tanigawa
▲23馬△44玉▲45馬△53玉
▲63馬△42玉▲41飛△同金
▲同馬△33玉▲23馬△44玉
▲45馬△53玉▲63馬△44玉
▲45銀△33玉▲23金△同玉
▲41馬△33玉▲32馬まで23手。

 初手からの馬追い回転趣向。持駒に金が加わる2回転目は作りやすいですが、1回目は玉の経路に桂歩を置くことで、うまく軌跡を限定できました。2手目同玉は24飛~32桂成、4手目33玉は23飛~52歩成、6手目44玉は45飛~43飛成で詰みます。41飛から金を入手して2回転目、63馬に42玉だと1手詰なのでここで逆に44玉と戻りますが、45銀~23金が決め手。また41馬~32馬で詰ますのがちょっと洒落ています。センスが光る佳作。

20220911hino
▲22銀△同角▲同馬△同玉
▲44角△33角▲34桂△12玉
▲11飛△同角▲同馬△同玉
▲44角△33角▲22銀△12玉
▲21銀△同銀▲同銀生△同玉
▲22銀△12玉▲11銀成△同角
▲同馬△同玉▲33角△22玉
▲22桂成まで29手。

 34に拠点となる桂を打つべく、精算から入ります。44角に対してはもう一度33角合とするのが最善。34桂の後、11飛から再精算して、収束を見据えてまた44角と打つのですが、これに対しても結局33角合とするのが最善になるのが面白いところ。銀2枚で32銀を剥がし、また11銀成から精算すれば収束です。54歩一枚で変化と紛れを両立させたのはお手柄ですね。

 

軽趣向好作選79

 仙台は夏の暑さも峠を越えつつあります。ここのところ、睡眠中に足がつることがあって調べてみたところ、水分不足と冷えが原因として挙げられてました。寝る前に水飲むようにはしてるんですけど、何もかけずに寝てるせいですかね。エアコンは消してるんですが。

 本日は軽趣向好作選。軽めですが、ちょっと「へえ」と思わせる2作品です。
20220827tonami
▲14飛△同銀▲13角成△11玉
『▲23桂△同銀▲12歩△同銀
▲同馬△同玉▲13銀△23玉
▲24銀成△12玉▲13成銀△11玉』
『▲23桂~▲同銀成~△11玉』
『▲23桂~▲同銀成~△11玉』
▲23桂△同香▲22成銀迄43手。

 3×5の端正な初形。銀ハガシですが、最初一旦銀を逃すのがうまい序奏です。桂で呼び出して剥がすのは良くあるのですが、いったん23玉とする手が入るので、より趣向らしさが増しています。趣向の延長でそのまま綺麗に収束するのも好印象ですね。なお、23桂を取る銀の順番は全部非限定のはずです。

20220827soma
▲22銀△同銀▲23桂打△21玉
▲11金△同銀▲同桂成△同玉
▲22銀△同角▲23桂生△21玉
▲11金△同角▲同桂成△同玉
▲22角△同角▲23桂△21玉
▲11金△同角▲同桂成△同玉
▲22銀△同玉▲23金△21玉
▲12金△同玉▲34角△21玉
▲23香△11玉▲22香成△同玉
▲23歩成△11玉▲12と迄39手。
 23桂に22玉と上がられると金輪際詰まない形になるため、事前に22を埋めるのが必要になるのですが、この原理をハガシ趣向にするあたりが流石に相馬氏です。ただし、ハガシ方にも工夫が必要で、最初は23桂に同銀と取られる手を見越して桂打にするのは当然ですが、次の22角の局面では桂打ではなくて桂跳ね。これは11金、同角、同桂成に同角とされる変化に13桂打とする余地を残したものですね。さらに1枚目の角を取った後、22に捨てるのが銀ではなくて角というのも芸が細かい。ここで22銀でも同じようですが、その場合、2枚目の角を剥がした時点で持駒が角角金となり、22角に11玉とされてアッと叫ぶことになります。
 こちらも舞台装置そのままでうまく収束できており、12の駒が香なのも最後に納得する仕掛け。この作者は趣向作は3日位で作る、と前に読んだ記憶がありますが、本作はどのくらいで作ったんですかね。


軽趣向好作選78

 先週は更新をさぼってしまいました。忙しかったというわけでは無くて、ブックオフで前から読みたいと思っていた吉川英治の三国志を見つけて読みふけってしまったためです(;^_^A 今4巻なので、まだしばらくかかりそう。
 ちなみにもちろん楽しく読んでいるのですが、登場人物が多くてなかなか大変。そういった意味では一人ひとりの人物を上手く書けている津本陽の「下天は夢か」の方が面白いかなあ。ただ、これから諸葛孔明も出てくるわけで、ひっくり返る可能性はあります。

 今日は前回さぼった軽趣向好作選を。玉方のと金が信じられない動きをする2題。
20220806nakamura
▲26金△同と▲43馬△15玉
▲27桂△同と▲37角△同と
▲26金△同桂▲27桂△同と
▲17香△同と▲16金△同と
▲35飛成△同香▲25金△同香
▲33馬△14玉▲24馬まで23手。



 持駒が多いのですが、下段の守備駒が強く、簡単にはいきません。まずは26金と捨ててから43馬。34歩合が気になりますが、同馬、36玉に45馬が気づきにくい好手で早く詰みます。15玉と追いこんだ局面からが見所。27桂~37角でと金を37に移動させて、26金が核となる一手。同桂(同香は作意と同様の手順で早い)に対して今度は27桂~17香~16金でと金で16を埋めるのが巧みな手順。単に16金だと同飛成で詰まないのですが、27桂から17香とすることで飛の後ろの効きを消すことが出来ます。17香に同飛成は25金ですね。
 まさしく魔法のような手順でと金が16に戻り、上部が埋まったところで35飛成~25金の胸のすく収束。「奔龍」を始め数々の守備駒の動きをテーマにした作品のある中村氏ですが、本作は特にロジックの巧さを感じる傑作です。

20220806umayahara
▲91飛成△81と▲21歩成△12玉
▲82龍△72と▲22と△13玉
▲73龍△63と▲23と△14玉
▲64龍△54と▲24と△15玉
▲55龍△同と▲25と△16玉
▲17歩△同玉▲18銀△同玉
▲19歩△同玉▲37角△28歩
▲同角△18玉▲19歩△27玉
▲55角△36玉▲26と△47玉
▲48歩△58玉▲59歩△69玉
▲71金まで41手。

 いや、もう正直、字面見るだけだと信じられない手順です。と金で下段に玉を追いつつ、龍とと金が「取っていいよ」「取らないよ」とダンスを踊り続けます。
 タネは収束にあり、25と以下、角を取って19歩~37角からの収束の手順はどこで龍を取っても成立しています。なんと、と金の移動合は龍を取るのをなるべく後にするための手数延ばしなのです。55龍とされると56に金の質駒が落ちているため、ここでやむなく取って収束へ、という仕掛け。最終的に角で一歩を稼ぐため、という簡明な理屈で、この奇跡的な趣向をシンプルな構図で表現してみせた作者には脱帽の一手です。

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