軽趣向好作選81

先週の3連休は久しぶりに新潟に帰ってノンビリしてました。街中がだいぶ変わりましたね。せっかくなので、今年調子の良いアルビレックス新潟の試合を見に行きたかったのですが、都合が合わず残念。

今日は軽趣向好作選。角2枚型の2作品です。
20221002nishimura
▲22角△97玉▲32角生△98歩
▲同香△86玉▲87歩△75玉
▲76歩△64玉▲65歩△53玉
▲54歩△42玉▲43桂成△同龍
▲同角成△同玉▲33飛△44玉
▲36飛成△54玉▲34龍△65玉
▲45龍△76玉▲56龍△87玉
▲67龍△98玉▲99歩△89玉
▲87龍まで33手。

 角を遠打してください、と言わんばかりの初形で実際遠打するのですが、22角とするのがポイントです。この後、43角成や32角成としたくなるのですが、86玉から歩で追ったときに打歩詰。ひねって21角成としても54歩、42玉、43桂成に51玉で届きません。32角生は51玉に52成桂、同金、41飛を用意した手で、43桂成に31玉とさせないために初手22角が限定となる仕掛け。これで飛を入手し、あとは追い戻しで気持ち良く……というところで、実は罠がありました。32角生としたときだけ、2手目98歩の手数延ばしが成立しています。最後98玉まで追い戻して99歩から87龍まで。謎解き作品としても上質な仕上がりの良作。

20221002mizukami
▲41角△21玉▲13桂△12玉
▲22金△同玉▲34桂△同龍
▲31角△33玉▲32金△23玉
▲22金△13玉▲25桂△同歩
▲23金△14玉▲12金△24玉
▲13角成△33玉▲32角成△同玉
▲22馬まで25手。

 こちらは趣向的な手順が出そうにないのですが、41角から細かく捨てて31角と焦点に打ち付けると、いつのまにか金鋸的な手順の舞台装置が完成している、という仕掛け。25桂と小技を挟んで23金から12金とソッポに移動し、角成から角捨ての収束も完璧です。
 2手目42玉は64角以下、33玉は44金、同龍、22角以下。最低限の配置で趣向を構成する角2枚を盤上から消す技巧はさすが編集長。もっと作品を発表してほしいものです。


軽趣向好作選80

 今日はお昼に床屋に出かけました。近くにデパートがあるのですが、ものすごい行列が。なんだろうと思ったら、甲子園で優勝した仙台育英が白河を越えて持ってきた優勝旗の展示なんだそうです。今日は最長2時間半待ちだったとか。まあ確かに見てみたいっちゃー見てみたいですかね。この週末はジャズフェスも規模縮小ながら再開され、ようやくアフターコロナの空気感が出てきました。

 さて、今日は軽趣向好作選。今回も軽めの楽しい2作品。
20220911tanigawa
▲23馬△44玉▲45馬△53玉
▲63馬△42玉▲41飛△同金
▲同馬△33玉▲23馬△44玉
▲45馬△53玉▲63馬△44玉
▲45銀△33玉▲23金△同玉
▲41馬△33玉▲32馬まで23手。

 初手からの馬追い回転趣向。持駒に金が加わる2回転目は作りやすいですが、1回目は玉の経路に桂歩を置くことで、うまく軌跡を限定できました。2手目同玉は24飛~32桂成、4手目33玉は23飛~52歩成、6手目44玉は45飛~43飛成で詰みます。41飛から金を入手して2回転目、63馬に42玉だと1手詰なのでここで逆に44玉と戻りますが、45銀~23金が決め手。また41馬~32馬で詰ますのがちょっと洒落ています。センスが光る佳作。

20220911hino
▲22銀△同角▲同馬△同玉
▲44角△33角▲34桂△12玉
▲11飛△同角▲同馬△同玉
▲44角△33角▲22銀△12玉
▲21銀△同銀▲同銀生△同玉
▲22銀△12玉▲11銀成△同角
▲同馬△同玉▲33角△22玉
▲22桂成まで29手。

 34に拠点となる桂を打つべく、精算から入ります。44角に対してはもう一度33角合とするのが最善。34桂の後、11飛から再精算して、収束を見据えてまた44角と打つのですが、これに対しても結局33角合とするのが最善になるのが面白いところ。銀2枚で32銀を剥がし、また11銀成から精算すれば収束です。54歩一枚で変化と紛れを両立させたのはお手柄ですね。

 

軽趣向好作選79

 仙台は夏の暑さも峠を越えつつあります。ここのところ、睡眠中に足がつることがあって調べてみたところ、水分不足と冷えが原因として挙げられてました。寝る前に水飲むようにはしてるんですけど、何もかけずに寝てるせいですかね。エアコンは消してるんですが。

 本日は軽趣向好作選。軽めですが、ちょっと「へえ」と思わせる2作品です。
20220827tonami
▲14飛△同銀▲13角成△11玉
『▲23桂△同銀▲12歩△同銀
▲同馬△同玉▲13銀△23玉
▲24銀成△12玉▲13成銀△11玉』
『▲23桂~▲同銀成~△11玉』
『▲23桂~▲同銀成~△11玉』
▲23桂△同香▲22成銀迄43手。

 3×5の端正な初形。銀ハガシですが、最初一旦銀を逃すのがうまい序奏です。桂で呼び出して剥がすのは良くあるのですが、いったん23玉とする手が入るので、より趣向らしさが増しています。趣向の延長でそのまま綺麗に収束するのも好印象ですね。なお、23桂を取る銀の順番は全部非限定のはずです。

20220827soma
▲22銀△同銀▲23桂打△21玉
▲11金△同銀▲同桂成△同玉
▲22銀△同角▲23桂生△21玉
▲11金△同角▲同桂成△同玉
▲22角△同角▲23桂△21玉
▲11金△同角▲同桂成△同玉
▲22銀△同玉▲23金△21玉
▲12金△同玉▲34角△21玉
▲23香△11玉▲22香成△同玉
▲23歩成△11玉▲12と迄39手。
 23桂に22玉と上がられると金輪際詰まない形になるため、事前に22を埋めるのが必要になるのですが、この原理をハガシ趣向にするあたりが流石に相馬氏です。ただし、ハガシ方にも工夫が必要で、最初は23桂に同銀と取られる手を見越して桂打にするのは当然ですが、次の22角の局面では桂打ではなくて桂跳ね。これは11金、同角、同桂成に同角とされる変化に13桂打とする余地を残したものですね。さらに1枚目の角を取った後、22に捨てるのが銀ではなくて角というのも芸が細かい。ここで22銀でも同じようですが、その場合、2枚目の角を剥がした時点で持駒が角角金となり、22角に11玉とされてアッと叫ぶことになります。
 こちらも舞台装置そのままでうまく収束できており、12の駒が香なのも最後に納得する仕掛け。この作者は趣向作は3日位で作る、と前に読んだ記憶がありますが、本作はどのくらいで作ったんですかね。


軽趣向好作選78

 先週は更新をさぼってしまいました。忙しかったというわけでは無くて、ブックオフで前から読みたいと思っていた吉川英治の三国志を見つけて読みふけってしまったためです(;^_^A 今4巻なので、まだしばらくかかりそう。
 ちなみにもちろん楽しく読んでいるのですが、登場人物が多くてなかなか大変。そういった意味では一人ひとりの人物を上手く書けている津本陽の「下天は夢か」の方が面白いかなあ。ただ、これから諸葛孔明も出てくるわけで、ひっくり返る可能性はあります。

 今日は前回さぼった軽趣向好作選を。玉方のと金が信じられない動きをする2題。
20220806nakamura
▲26金△同と▲43馬△15玉
▲27桂△同と▲37角△同と
▲26金△同桂▲27桂△同と
▲17香△同と▲16金△同と
▲35飛成△同香▲25金△同香
▲33馬△14玉▲24馬まで23手。



 持駒が多いのですが、下段の守備駒が強く、簡単にはいきません。まずは26金と捨ててから43馬。34歩合が気になりますが、同馬、36玉に45馬が気づきにくい好手で早く詰みます。15玉と追いこんだ局面からが見所。27桂~37角でと金を37に移動させて、26金が核となる一手。同桂(同香は作意と同様の手順で早い)に対して今度は27桂~17香~16金でと金で16を埋めるのが巧みな手順。単に16金だと同飛成で詰まないのですが、27桂から17香とすることで飛の後ろの効きを消すことが出来ます。17香に同飛成は25金ですね。
 まさしく魔法のような手順でと金が16に戻り、上部が埋まったところで35飛成~25金の胸のすく収束。「奔龍」を始め数々の守備駒の動きをテーマにした作品のある中村氏ですが、本作は特にロジックの巧さを感じる傑作です。

20220806umayahara
▲91飛成△81と▲21歩成△12玉
▲82龍△72と▲22と△13玉
▲73龍△63と▲23と△14玉
▲64龍△54と▲24と△15玉
▲55龍△同と▲25と△16玉
▲17歩△同玉▲18銀△同玉
▲19歩△同玉▲37角△28歩
▲同角△18玉▲19歩△27玉
▲55角△36玉▲26と△47玉
▲48歩△58玉▲59歩△69玉
▲71金まで41手。

 いや、もう正直、字面見るだけだと信じられない手順です。と金で下段に玉を追いつつ、龍とと金が「取っていいよ」「取らないよ」とダンスを踊り続けます。
 タネは収束にあり、25と以下、角を取って19歩~37角からの収束の手順はどこで龍を取っても成立しています。なんと、と金の移動合は龍を取るのをなるべく後にするための手数延ばしなのです。55龍とされると56に金の質駒が落ちているため、ここでやむなく取って収束へ、という仕掛け。最終的に角で一歩を稼ぐため、という簡明な理屈で、この奇跡的な趣向をシンプルな構図で表現してみせた作者には脱帽の一手です。

軽趣向好作選77

 仙台にはこの時期には珍しくまとまった雨が降っています。そんな中ですが、明日から少し出かけるため、軽趣向好作選を本日アップ。角(馬)を同じ王手筋で使う2作品。


20220715tonami
▲82と△同玉▲73歩成△91玉
▲92歩△同玉▲65角△74歩
▲同角△91玉▲92角成△同玉
▲65角△74歩▲同角△91玉
▲82と△同玉▲83歩△91玉
▲92歩△同玉▲72飛生△91玉
▲82歩成△同歩▲92歩△81玉
▲71飛成△同玉▲63角成迄31手。
初形打歩詰。82と~73歩成で置きなおし、92歩、同玉、65角と覗くと、91玉は82とがあるため、74歩と捨て合が登場します。同角と取って91玉に、92角成と捨ててもう一枚の角で65角を繰り返すのが面白い。要は最初の一枚の角は歩と交換するためだけの駒だったわけです。
2回目の65角にも同様に74歩と捨て合します。歩が一枚増えたことで収束に向かうのですが、と金を歩に打換えて72飛生!が打歩詰を回避する好手。82歩成で81を空けて追い込み、71飛成で鮮やかな開き王手のフィニッシュとなります。74歩捨て合の型自体は難しいものではないですが、これを繰り返せることに着眼した作者の発想に拍手。
解説の平井氏によると、97飛は94金位でもいいそうで、将来作品集を編まれるときには図面が変わるかもしれません。
20220715suzukawa
▲23桂△12玉▲24桂△同銀
▲11桂成△同玉▲66馬△33桂
▲同馬△同銀▲23桂△12玉
▲24桂△同銀▲11桂成△同玉
▲55馬△44桂▲同馬△33桂
▲同馬△同銀▲23桂△12玉
▲13銀成△同玉▲25桂△12玉
▲11桂成△同玉▲14飛△11玉
▲23桂まで33手。
こちらは馬が飛筋を遮って二枚配置されています。この馬を消すのですが、都度33銀にどいてもらう必要があり、23桂~24桂~11桂成を繰り返すことになります。馬を消す順序も限定で、55馬を後にすることにより、単に33桂合とする場合には22と、同玉、24飛、32玉、22飛成で早詰です。66馬型だとこのとき43玉で詰みません。
桂連合を食いちぎって、また手元に桂が3枚。ここで13銀成~25桂が気持ちの良い打ち換えで、さらに11桂成と成り捨てて14飛で詰みに至ります。明快ながら精巧な論理で、かつ繰り返し部分も楽しく、着地もばっちり。作者の中ではかなり軽い方と思いますが、完成度が高く、未来に残したいで作品です。

 

軽趣向好作選76

 先週はniftyの障害にて更新できませんでした。まあ今日KDDIの障害に比べればカワイイもんですが。あまり多くは言えませんが仕事にも影響出ておりまして、早めの復旧を祈るばかりです。
 看寿賞発表になりまして、受賞された皆さん、本当におめでとうございます。イチシマ的には昨年「渡辺氏作が受賞」と断言していたToshikiさんの慧眼に改めて恐れ入っている次第。いや~、流石です。

 さて、先週飛ばした分軽趣向好作選は今回2作行きましょう。
20220702horikiri
▲14飛△24歩▲64飛△45玉
▲15飛△25角▲同飛△同歩
▲67角△56角▲同角△同香
▲23角△34角▲同角成△同歩
▲46歩△55玉▲33角△44角
▲同角成△同歩▲65飛△54玉
▲32角△43角▲同角成△同桂
▲64飛△55玉
▲77角△66角
▲同角△同桂▲65飛△54玉
▲55飛△同桂▲43角△63玉
▲52角成△54玉▲43馬△63玉
▲65香△64歩▲同香△同玉
▲65馬△63玉▲73香成△同玉
▲83馬△63玉▲64歩△同玉
▲65銀△75玉▲74馬まで59手。

 角打角合趣向。①最初に角合を入手②打歩詰予防のため55香を56に移動③33を開けるために33歩を34に移動④43に桂を呼ぶために43歩を44に移動⑤31桂を43に移動⑥収束を見据えて74桂を66に移動で都合6回の角打角合です。②と③を入れ替えると67角に56香合で逃れます。収束は少し長いですが、単純になりやすい角打角合をここまで理知的に仕上げるのは流石に合駒職人の堀切氏です。
 2手目24角合でも作意同様に進むため、発表時は誤解者が大量発生。24歩と突くのが絶妙で、これを同飛と取ると34角合、同飛、同歩と進めることとなり、上記の②③の手順前後と同じ仕組みで不詰。精巧の一語です。

20220702machida
▲28飛△37玉▲38飛△27玉
▲36銀△同桂▲28飛△37玉
▲26銀△同桂▲38飛△27玉
▲18銀△同桂成▲28飛△37玉
▲26銀△同龍▲38飛△27玉
▲37飛まで21手。

 飛角の両王手を繰り返しつつ逃げ道を埋める趣向。構図は前に紹介した中村雅哉氏作と一緒ですが、埋める駒を桂にしたことで18銀を同桂成と取ってまた26の逃げ道が空いたため、もう一回りして26銀と再度捨てる手が入ったのが大きい。持駒趣向としても盤面の使用駒から見ても完璧と言っていいのではないでしょうか。
 新人コンクールで2.81の高得点をたたき出しました。編集部に横取りされたようで、石黒教授はかなり残念だったのでは。

 

軽趣向好作選75

20220604hirose
前回紹介しました広瀬氏作、いかがでしたでしょうか。99角、33歩以下67手詰になった方は残念ながら不正解。当時解説された風みどり氏も、解答を見る前にもう一度見直してほしいと書かれていたかと存じます。さてでは。

▲99角△77歩成▲同角△66歩
▲同角△55歩▲同角△44歩
▲同角△33歩▲同角引成△同桂
▲同角成△21玉▲43馬△11玉
ー 以下馬鋸で87歩を取り、44まで戻る ―
△21玉▲33桂△31玉▲32歩△42玉
▲43歩△51玉▲52歩△61玉
▲62歩△71玉▲72歩△81玉
▲82歩△91玉▲92歩△同玉
▲93歩△同玉▲66馬△92玉
▲65馬△91玉▲81歩成△同玉
▲82桂成△同玉▲83桂成△91玉
▲92成桂まで75手。
 99角に対して33歩合以外の打合、たとえば77香合は同角、同歩成、12香までの3手詰。唯一歩が利く33歩合として精算し、あとは馬鋸で43歩~87歩を全部取るのか……と思った人が多いのでは。現実、柿木将棋に解かせても同じ解答を示します。が、いずれ収束に入るためには歩が7枚必要なので、87歩まで取るのが必須。ということは、43歩~76歩までの4枚は移動合で捨てた方が手数が伸びる、という仕掛けになっています。いわゆるヤケクソ中合という手筋で、ごくたまに登場するものなのですが、これを趣向の原理に使える、という作者の着眼が素晴らしい。これにより連続移動捨合がかつてなくシンプルに、美しく表現されています。
 収束も最低限の駒配置でうまく歩を消化。桂成捨てで見事に締めました。歴史に残すべき作品と思います。

 なお、前回の記事で、本作も還元型無駄合の原理を利用、と書いたのですが、良く考えなくても違いました(汗)。途中歩合で呼び戻したらそのまま詰みますからね。大変失礼しました。ただ、87の駒が桂とかでも実現できる手順で、その場合は歩で呼び戻すことで還元型無駄合になります。作者はそれを嫌って歩だけで収束できる構図にしたのかもしれませんね。

 

軽趣向好作選74

 次の土曜日は詰とうほくです。詰工房と重なってしまいましたが、まあいつもどおりノンビリとやりたいと思います。お近くの方はぜひ。

 さて、本日は軽趣向好作選。私好みのハガシ作品を紹介します。
20220522misumi
▲55歩△同と▲46桂△同と
▲55歩△同玉▲46金△54玉
▲65銀△同と▲55歩△同と
▲同金△同玉▲46龍△54玉
▲44金△同銀▲55歩△同銀
▲同龍△同玉▲44銀△54玉
▲56飛△同馬▲55歩△同馬
▲53銀成△同玉▲62馬△54玉
▲46桂△同馬▲44馬まで35手。
 呼び出しハガシ趣向ですが、よく見る同じ種類や手段によるハガシではなく、一回ごとに剥がす駒や呼び出し方が異なり、またそれを取る駒も次々とバトンタッチしていきます。当然手順前後を許さない仕組みが必要なのですが、2回目の取り駒を龍で設定したことで、65銀と44金の順番をごく明快に限定しているのがうまい。更には銀を取って据えた後は支えに使った飛を華麗に捨てて、最後はキッチリと「ケ」の炙り出しは見事の一語です。曲詰、軽趣向ともに大家である三角氏の面目躍如の一局でした。

 

軽趣向好作選73

 ゴールデンウィークも今日でおしまい、という方が多いのでしょうか。私は明日休みで新潟に戻るので、今日更新しておきます。今回はかなり軽めの2作。
20220505take
▲35龍△54玉▲45龍△64玉
▲55龍△74玉▲65龍まで7手。
 今まで紹介した中で最短手数でしょうか。龍が一路ずつ横に追う趣向です。龍という駒は当然横にいくらでも動けるわけで、その中で一路ずつ追うように作るのはかなり難しいのですが、72龍配置が絶妙で、これをうまく変化と作意(74玉のときだけ73桂がピンされる)に使って、実に軽く実現しています。さすがのセンスですね。
20220505bando
▲28角△同玉▲38龍△17玉
▲37龍△16玉▲38角△15玉
▲35龍△14玉▲47角△13玉
▲33龍△12玉▲56角△同龍
▲13歩△11玉▲31龍△21合
▲12香まで21手。
 大駒図式から持駒の香を梃にした龍角による追い趣向。19玉が一直線に11玉まで下がり、角捨ても入って軽趣向として申し分のない手順と言えるのではないでしょうか。この月のデパートは飛角図式特集で、前回紹介した2作品以外もなかなかの好作でした。本当に種はつきないものですね。


軽趣向好作選72

 詰将棋を久しぶりに投稿しました。いつ載るかな。

 前回飛ばしてしまった軽趣向好作選を。今回は某所と連動して、というわけではなく偶然なのですが飛角図式の軽趣向を2作紹介します。
20220423ito
▲17銀△同玉▲28銀△18玉
▲19銀△同玉▲29飛△18玉
▲28飛引△17玉▲26銀△同馬
▲18銀△16玉▲26飛△15玉
▲24角△14玉▲13角成△同玉
▲23飛成まで21手。
 飛が縦に2枚並んでおり、堀半七風に迫るしかないのですが玉方の馬の効きが強いので、銀をうまく使ってかいくぐります。28銀~19銀と捨てて飛2枚を引いて土台を作れば、馬を入手して角打・成捨で収束です。易しいですが持駒趣向もあり発見と言えるのではないでしょうか。

20220423sumi
▲34龍△15玉▲35飛△16玉
▲25龍△17玉▲37飛△18玉
▲38飛△17玉▲28龍△16玉
▲36飛△15玉▲26龍△14玉
▲34飛△13玉▲24龍△12玉
▲32飛成△22歩▲13歩△11玉
▲31龍△21銀▲12歩成△同玉
▲34角△23桂▲同角成△同歩
▲13歩△11玉▲21龍△同玉
▲23龍△31玉▲32歩△41玉
▲43龍△51玉▲52銀△62玉
▲74桂△72玉▲63龍△81玉
▲83龍△91玉▲82桂成迄51手。
 こちらは飛龍での縦追いです。32飛成に対して22歩合としてアッサリ角を取らせてしまうのですが、ここで銀合と頑張ると23龍上で簡単なので仕方ありません。続いて31龍に21銀合とするのは12歩~34角として23合を食いちぎったときに32龍とする手を防いだものです。21桂合でも良さそうですが、先の12歩~34角で合駒させたときに22龍が成立して早く詰みます。この辺りは良く綺麗に限定できたものと感心します。
 以降は13歩~21龍と切って横追いに移るのですが、ポピュラーな32銀~54桂で追うと、最後に66角が93に効いて詰まない仕組みになっており、32歩~43龍で迫るのが正解。最後は少し流れますが、91の方の雪隠で詰むのは意外性もあるかと思います。あまりこういった条件作を作られるイメージはない?作者ですが、縦追いと横追いの繋ぎの丁寧な作りに”らしさ”がうかがえます。

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