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2024年8月

詰将棋学校好作選25

 先週台風の心配をしましたが、今週も同じ状況になっていますね。シーズンとはいえ、今年は多い気がします。被害が少なく済むことを祈っています。
 今日は学校好作選。短編です。
20240825tahara
▲56銀△同馬▲77桂△同と
▲57桂△同馬▲54銀△同玉
▲63飛成△同玉▲53金まで11手。
 見える手がたくさんあって迷う形ですが、その中で56銀は意外な手かもしれません。76玉は87金、75玉、84銀、74玉、86桂、85玉、97桂まで。この変化で4枚ある持駒を全部使わなくてはいけないのがポイントで、初手57桂と省略したり、56銀打と欲張ると76玉で逃れます。
 56銀には同馬が最善ですが、77桂と退路封鎖をした上で、57桂と馬を無力化すれば、54銀~63飛成の狙いの妙手順が実現します。

 古典的だなあ、という思いをされた方も多いかもしれませんが、これは本作発表時点でも十分雰囲気的には古典的で、その中でも高評価を得たことに、解答者が詰将棋解図に求めているものを感じますね。

軽趣向好作選124

 昨日は詰とうほく。台風の影響が心配されましたが、ギリギリでそれてなんとか無事開催できました。くるくる展示室の冊子をUraさんからいただき、楽しみました。石川さんや小笠原さんの作品を解いたり、長編の修正について懇談したりであっという間の4時間でした。
 次回は11月23日(土)で申込しています。


 本日は軽趣向好作選です。
20240818tanigawa
▲28飛打△39玉▲38飛△29玉
▲28飛右△19玉▲18飛△29玉
▲28飛左△39玉▲49金△同玉
▲48飛△59玉▲58飛△69玉
▲68飛△59玉▲58飛右△49玉
▲38銀△39玉▲59飛△28玉
▲29銀△27玉▲18銀△26玉
▲29飛△15玉▲16歩△14玉
▲15歩△同玉▲65飛△45歩
▲同飛△14玉▲24飛△13玉
▲14歩△12玉▲23飛成△同玉
▲34金△22玉▲13歩成△同玉
▲43飛成△14玉▲23龍△15玉
▲24龍△16玉▲27龍△15玉
▲16歩△14玉▲24金まで59手。
 入玉形の無防備図式で飛打から入るしかありませんが、すぐ左に追うのではなく、いったん28飛右~18飛で19の桂を消去します。19桂を消去した効果は49金~48飛~58飛としたとき、49玉の変化で明らかになります。48飛右、39玉、28銀、29玉、49飛、18玉で桂がないので19飛までで詰み。
 やむを得ない69玉に68飛とすると、79玉は88銀があり、右に戻ることになります。前が空いている68飛を残して58飛と持駒の銀で今度は上に追います。15玉に65飛を急がず、16歩~15歩と消去しておくのがうまい。玉方も65飛に45歩で抵抗します。24飛に13玉とギリギリ逃れたように見えますが、14歩~23飛成~34金とし、13歩成~43飛成を実現すれば詰みに至ります。
 飛の横追いに不規則な縦追いを組合せ。プロ棋士らしい読み込まれた構成の作品です。

詰将棋学校好作選24

 お盆ですが地震があり台風も来て、落ち着かないですね。被害が少なく済むことを祈っています。

 今日は詰将棋学校好作選です。
20240811kondo
▲13飛△12金▲22金△同玉
▲33飛成△11玉▲22金△同金
▲14香△13飛▲同香生△12香
▲同香成△同金▲22金△同金
▲14香△13角▲同香生△12桂
▲同香成△同金▲31龍△21歩
▲同龍△同玉▲43角△32銀
▲同角成△同玉▲33飛△41玉
▲42歩△51玉▲62銀△同玉
▲74桂△71玉▲83桂△81玉
▲91桂成△71玉▲81成桂△同玉
▲83飛成△91玉▲82龍まで47手。
 
7種合です。5種までは1筋の香の王手で、泉から水が湧くように合駒が発生します。でも、よく見るとわかりやすいものが多いのではないでしょうか。動く将棋盤の方でぜひご確認いただければと思います。
 飛角桂を手にしたところで31龍と手を変えます。43角で33桂から飛打ちの筋を見せると32銀合が最善となり、3×3の狭い範囲で見事7種合が完成しました。
 収束は枠から飛び出しますが、非常に綺麗にまとまっていて、作者が「これで良し」としたのも良く分かります。全体的な雰囲気で、7種合の中でも記憶に残る作品と思っています。

軽趣向好作選123

 来週はお盆ですが、その後17日に詰とうほくが予定されています。夏休み中という方、ぜひ足をお運びください。


 本日は軽趣向好作選です。前回と打って変わって、いかにも、という作品。
20240804tonami
▲37龍△同玉▲33飛△26玉
▲36飛成△17玉▲29桂△同と
▲16龍△28玉▲18龍△37玉
▲38龍△26玉▲36龍△17玉
▲16龍△28玉▲18龍△37玉
▲48龍△26玉▲46龍△17玉
▲19香△同と▲18歩△同と
▲16龍△28玉▲18龍△37玉
▲48龍△26玉▲46龍△17玉
▲16龍△28玉▲29歩△39玉
▲36龍△29玉▲38龍△19玉
▲18龍まで45手。
 大駒4枚ながら王手すら限られている初形。よく見ると37龍捨てから33飛と打ち直し、29桂で18の効きを外せば龍追いが実現します。38香を取った後、もう一度回転して48龍~46龍で更に持駒を補充します。
 香歩を手にしてどうするか、というところで、いったんどかした29と金を19香と呼び戻し、18歩からこれもハガしてしまうのが好手順でした。このと金を消すことで29歩と打つことができ、収束します。33~35手目は38~36龍でも可。配置と手順のバランスが良く、楽しめる作品になっていると思います。

 


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