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2023年6月

趣向詰好作選97

 ロシアで内乱が発生して昨日から今日にかけて大騒ぎでした。SNSを見ても、マスコミよりも突っ込んだ情報が多く飛び交ってましたが、どれが本当の情報なのか判断が難しい。そういった部分を含めて、怖い世の中になったものだな、と思います。


 前回松本全国大会の記念詰将棋2作を紹介しましたが、今回は同じ長野全国大会の握り詰入選作を紹介。
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▲99龍△89金▲69と△同玉
▲89龍△79金▲59金△同玉
▲79龍△69金▲49金△同玉
▲69龍△59金▲39金△同玉
▲59龍△49金▲29金△同玉
▲49龍△39飛▲19金△同玉
▲39龍△29金▲17飛△18歩
▲同飛△同玉▲28金△同金
▲19歩△17玉▲18金△16玉
▲26成香△同玉▲28龍△35玉
▲45金△36玉▲46金まで43手。

 下段玉一間龍での合駒送り趣向という構図は見えやすいのですが、合駒は飛角金銀とあります。銀合だとどこかで龍に紐づけて銀打が出来るので早そうかな、というところで、実際それで早いのですが、この変化で56と・36成香がうまく効いてます。
 こうして金捨て金合趣向で追うのですが、29金、同玉、49龍に39金合ですと28金、同玉、38金、同金、18金、同玉、38龍で詰みますので、ここで39飛合と変えます。これに対してはもう一度19金、同玉、39龍まで送り、17飛と合駒を稼ぐのが正解。ここで取った歩で19歩~18金と足場を気づき、趣向の足場となった36成香・56とを上手く活用して収束します。少ない駒で良く練られた作品と思います。握り詰の制約で成香配置になっていますが、将来的にどういった形で作品集に納められるのかは興味あるところです。今のところ、作者のHP上は成香配置のままとなっていますね。


軽趣向好作選96

 来月の詰将棋全国大会、何とか参加できそうな見込みです。コロナでずっとやっていませんでしたので、色々な方にお会いできるのが今から楽しみです。


 というわけで、ということでもなく単なる偶然ですが、今日は2012年の全国大会の記念詰将棋2題をご紹介。
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▲99馬△88歩▲12歩△21玉
▲98馬△87桂▲11歩成△31玉
▲97馬△86桂▲21と△41玉
▲96馬△85桂▲31と△51玉
▲95馬△84桂▲41と△61玉
▲94馬△83銀▲同馬△同香
▲51と△同玉▲52銀△42玉
▲43銀成△同玉▲44と まで31手。

 89馬を使って良い合駒を入手できれば詰みなのですが、そんなに簡単に入手できるわけはなく、99馬には98歩合、12歩、21玉として98馬には87桂合と抵抗されます。ところが、桂の頭が丸いため、ここで11歩成とすると同玉には88馬とされてしまうため、31玉の一手となります。そこで更に97馬が成立し、更に同じ理屈でと金で追いつつ馬を縦に動かず趣向が成立しています。61まで追って94馬とすれば、桂も品切れになってしまい、ついに銀を入手。フル活用したと金を捨てて銀打~両王手で綺麗に収束します。
 この趣向のために二歩や行きどころのない駒打の禁止のルールがあるんじゃないか、と思う位の完璧な構図。それを簡単に解ける易しさに仕上げる作者の創作力に拍手喝采です。

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▲24桂△33玉▲43銀成△同玉
▲55桂△33玉▲32桂成△同玉
▲44桂△33玉▲43桂成△同玉
▲35桂△33玉▲32桂成△同玉
▲54馬△41玉▲42角成△同玉
▲43桂成△41玉▲42歩△31玉
▲32成桂 まで25手。

 初手から43銀成、同玉、35桂、32玉とすれば詰むのですが、そんなに簡単に話が運ぶワケがなく、35桂には52玉とすれば詰みませんし、そもそも43銀成に21玉とされるとアウトです。それを実現するために打ち換え趣向が成立しています。
①初手は21に逃げられないように12に効かして24桂
②54銀を55桂に打ち換えて63の効きを残しつつ54の地点を開ける
③24桂を44桂に打ち換えて52に効きを作る(44桂に21玉は54馬)
④55桂を35桂に打ち換えて23に効きを作る
⑤32桂成~54馬で下段に追い込んで収束
 こちらも煩わしい変化は少なく、論理を追っていけば自然と趣向に想到することが出来ます。一流作家により表現された上質な手触りにただただ感心するばかりです。

5月の詰とうほく+パラ3月号発表作

 先々週に詰とうほくを開催しました。前回よりは少なかったものの、10名の参加者で引き続きの盛況でした。今回もUraさんの大作参考文献?を受領。毎度ありがたいことです。あとは投稿作や新作を見せ合ったり、暁将棋部屋の作品を皆で解いたり、和やかに過ごしました。
 次回は8月19日(土)にしたのですが、うっかり抽選申込を漏らしてしまいました。辛うじて空いていた戦災復興記念館での開催となります。ちょっとアクセスが悪いのですが、よろしくお願いします。

 さて、3月号に久しぶりに学校に入選した結果稿が載りましたので、一応自作コメントを。
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▲87桂△同馬▲86銀△96玉
▲97銀△95玉▲96香△85玉
▲84金△同玉▲74金△85玉
▲86銀△96玉▲97銀△85玉
▲77桂△同馬▲76龍△同馬
▲86歩△同馬▲96銀△同馬
▲75馬△95玉▲84馬迄27手。

 狭い場所での細かいやり取り。ちょっと知恵の輪風味ですが、実はそこまで一貫したテーマがあるわけではありません。もう少し逆算して徹底できればよかったのですが、あまり気の利いた手順が入りませんでした。それでも96香を打って、その後原型消去し、連続捨駒から空けておいたスペースに銀捨てで収束するのは気持ち良い手順かと思います。
 53歩と89とが残念な余詰消しで、せめてもう一枚位減らしたかったのですが、力不足でした。6月号で結果が載りましたが、そこそこ好評でほっとしました。石黒さんには丁寧な解説をいただき、感謝の一語です。

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