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軽趣向好作選57

 つみき書店で発行された「怒涛 山本昭一詰将棋作品集」を購入しました。2003年に刊行されたものに作品を新たに収録したものだとか。「メタ新世界」や「二人三脚」といった有名作品のほか、軽趣向やミニ煙、初期の軽作や未発表作も含めてバラエティに富んだ作品が収録されています。冬眠蛙は詰将棋歴が全く重なっていないので、知らない作品も多くあり楽しめました。つみき書店のリンクはこちら。Amazonでも取り扱っています(冬眠蛙はこちらを利用)ので、興味のある方はぜひご購入を。

 本日は軽趣向好作選。長めの作品を1局紹介します。

20210620misumi

▲37桂△同金▲26歩△同成桂▲34角△14玉
▲15歩△同玉▲16歩△14玉▲23角成△25玉
▲34馬△36玉▲45馬△25玉▲34馬引△14玉
▲15歩△同玉▲26金△同香▲16歩△14玉
▲23馬△25玉▲34馬上△36玉▲28桂△同と
▲45馬△25玉▲34馬引△14玉▲15歩△同玉
▲19飛△同と▲16歩△14玉▲23馬△25玉
▲34馬上△36玉▲28桂△同歩成▲45馬△25玉
▲34馬引△14玉▲36馬△同金▲15歩△同玉
▲17飛まで55手。

 最初10手で舞台装置を整えて、二枚馬による知恵の輪がはじまります。最初に45馬・34馬型を作るのは26金に同玉とされる変化に備えたもの。同香に16歩と据えなおし、36まで追って28桂と焦点に捨てるのがポイントとなる一手です。同金は37歩、同歩成は45馬~34馬引~36馬があるので同とですが、19成桂が落ちており、14までまた追って15歩~19飛でこれを剥がし、もう一度36まで追って28桂とすれば、今度は同歩成とするしかありません。先ほどの45馬~34馬~36馬引が実現して綺麗に収束します。
 最初に37金型にする何気ない序奏がうまく、知恵の輪の鍵となる57飛の横利きを見えにくくする効果があります。作者のセンスがうかがわれる好作です。

 昨日は将棋日本シリーズの仕事で仙台に来られていた角さんとお会いすることが出来ました。昨年はコロナで中止になったので2年ぶり。短いながら楽しいひと時を過ごすことが出来ました。角さんありがとうございました。

 

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