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ありがとうございます。+軽趣向好作選58

 既にご存知の方もいるかと思いますが、自作が令和2年の看寿賞短編賞をいただくことになりました。今まで細々と続けてきた甲斐がありました。思い起こせば今までいろいろな形でいろいろな方にお世話になりました。厚く御礼申し上げます。
 第5作品集を現在作成中である関係で、既に作品解説はこのブログに掲載しており、またパラの来月号に受賞のことばも載せさせていただきますので、あえてここで作品を振り返ることはいたしません。ご了承ください。

 本日も軽趣向好作選を。

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▲24金打△22玉▲13金△21玉▲12金△同玉
▲24金△21玉▲12角△22玉▲13金△11玉
▲21角成△同玉▲12金迄15手。

 3筋の壁には触らず、15金・16香の力をバックに打った金が突進します。12に捨てたところで24金と今度はこちらの金を活用。12角を打って捨てる手を挟んで同じ軌道を描くのが軽妙です。難解とは無縁でかつ手順は楽しく、表紙にうってつけの作品だと思います。

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▲12銀△同飛▲同角成△同玉▲21銀△同玉
▲32銀△同歩▲31金△同玉▲41金△同玉
▲52銀△同歩▲51金△同玉▲61金△同玉
▲71角成△同玉▲72歩△同玉▲73飛打△61玉
▲81飛成迄25手。

 持駒趣向ですが、見たままにどんどん捨てて左側に無理やり玉を引きずり出します。途中32銀や52銀に同玉ですと金打ち~桂取り~角成の筋があって早い。ぴったり全部使いきって61まで持ってくれば、71角成が実現して以下は易しい収束となります。持駒飛が必須の趣向ですが、うまいことピッタリ金銀8枚まで持ってこれたものです。

 
 小川さんからの紹介で、第1回YouTube詰将棋コンテスト(←クリックで開きます)を解いてみました。11手以内34題ということで、色々な作品がそろっており、かなり苦労しつつも楽しめました。評点ルールも工夫されていて、結果を見るのが今から楽しみです。今月末まで解答期限ありますので、興味を持たれた皆さんはご覧いただければと思います。

 

軽趣向好作選57

 つみき書店で発行された「怒涛 山本昭一詰将棋作品集」を購入しました。2003年に刊行されたものに作品を新たに収録したものだとか。「メタ新世界」や「二人三脚」といった有名作品のほか、軽趣向やミニ煙、初期の軽作や未発表作も含めてバラエティに富んだ作品が収録されています。冬眠蛙は詰将棋歴が全く重なっていないので、知らない作品も多くあり楽しめました。つみき書店のリンクはこちら。Amazonでも取り扱っています(冬眠蛙はこちらを利用)ので、興味のある方はぜひご購入を。

 本日は軽趣向好作選。長めの作品を1局紹介します。

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▲37桂△同金▲26歩△同成桂▲34角△14玉
▲15歩△同玉▲16歩△14玉▲23角成△25玉
▲34馬△36玉▲45馬△25玉▲34馬引△14玉
▲15歩△同玉▲26金△同香▲16歩△14玉
▲23馬△25玉▲34馬上△36玉▲28桂△同と
▲45馬△25玉▲34馬引△14玉▲15歩△同玉
▲19飛△同と▲16歩△14玉▲23馬△25玉
▲34馬上△36玉▲28桂△同歩成▲45馬△25玉
▲34馬引△14玉▲36馬△同金▲15歩△同玉
▲17飛まで55手。

 最初10手で舞台装置を整えて、二枚馬による知恵の輪がはじまります。最初に45馬・34馬型を作るのは26金に同玉とされる変化に備えたもの。同香に16歩と据えなおし、36まで追って28桂と焦点に捨てるのがポイントとなる一手です。同金は37歩、同歩成は45馬~34馬引~36馬があるので同とですが、19成桂が落ちており、14までまた追って15歩~19飛でこれを剥がし、もう一度36まで追って28桂とすれば、今度は同歩成とするしかありません。先ほどの45馬~34馬~36馬引が実現して綺麗に収束します。
 最初に37金型にする何気ない序奏がうまく、知恵の輪の鍵となる57飛の横利きを見えにくくする効果があります。作者のセンスがうかがわれる好作です。

 昨日は将棋日本シリーズの仕事で仙台に来られていた角さんとお会いすることが出来ました。昨年はコロナで中止になったので2年ぶり。短いながら楽しいひと時を過ごすことが出来ました。角さんありがとうございました。

 

冬眠蛙第5作品集 第15番+第14番解答

 沈没船ジョーク、というのを皆さんご存知ですか。ウィキペディアにも載っているのですが、沈没しかけた船に乗り合わせる様々な国の人たちに、海に飛び込むよう船長が説得を行うもので、代表的なところですと、
・アメリカ人に 「飛び込めばあなたはヒーローになれます。」
・イギリス人に 「飛び込めばあなたはジェントルマン(紳士)になれます。」
・ドイツ人に 「飛び込むのはルールです。」
・イタリア人に 「飛び込めばあなたは女性に愛されます。」
というもの。各国の(一般的にこうではないか、と思われがちな)国民性を使って表現するものですね。なんとなく「そうかもね」とクスリとさせられます。で、これが日本人の場合どう説得するのか、というと、以下のとおり。
・日本人に「皆さん飛び込んでます」
要は”周囲に合わせようとするのが日本人の国民性”、ということなんでしょうね。なるほど、うまいなあ、と思います。
 ここから先は冬眠蛙の個人的な考えなのですが、日本人のコロナ罹患がたとえばロックダウンといった重い対策を取らなくても数字がそれほど高くないのは、日本人の国民性によるものなのではないか、と。周りの人がマスクをすれば自分もするし、外食しないといえば自分もしない。大きなイベントが中止になると、将棋倒し的に小さいイベントも軒並み中止する。こういった国民性によって、感染リスク抑制の雰囲気が自然に出来上がった、というのはどうでしょう。
 なので、例えば逆に、「〇〇さんがもうマスクを取ってるから自分ももういいや」とか「〇〇県はもうイベント普通のやってるから、こちらの県も全部やることにしよう」といった形で、逆に他国よりも感染が急激に広がる、というリスクもまだ残っているのかな、と思っています。特にこれからワクチン打った人が一定数出てくるわけで、国民性も踏まえた中でどうなるか、こっそり注目しています。

 前置き長くなってしまいました。本日は第5作品集紹介です。第15番。
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 20手台。我ながらなかなか良く出来た作品と思ってます。初見の方はチャレンジしてみていただければ。

〇第14番 解答
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▲43角㋑△同飛▲51と△71玉▲63桂生△同飛
▲62銀△同金▲81桂成△同玉▲83香△82角
▲同香成△同玉▲93角打△同歩▲同馬△同香
▲83歩△72玉▲82金迄21手。
㋑52歩は51と、同玉、63桂生、同金、42金以下。

 実戦形を意識して逆算した作品。手順もあえて駒取りや泥臭い変化を入れてみたつもりで、そういった中で62銀が良い味付けになったか。狙いは馬角二枚を歩と交換する手順で、こういう手を実戦でやれたら凄いなあ。まあないだろうけど。

ごぶりん「(前略)序の紛れがすさまじく、52にぶちこんでも62香でも51とでも25角でもありそうで、いくつか悩んだあげくにギブアップの予定でした。なぜだか、収束7手の感覚が心地よいです。清算なのに大駒が消えるせいでしょうか」
隅の老人B「
実戦なら、先ず、25角打。43角打なんて意想外も良い処。はっきり言えば、ヘボなのです。こんなのが、実戦で詰んだら、愛知県代表でアマ名人戦に出場ですね。ところが、詰将棋ですよと出題されると、絶対に詰む。解いてやるかと、身構える。そして、先はず、43角打から考える。でも、次の応手で一苦労。時間はタップリ、待ったも出来る。悪戦苦闘の数時間。やったぞ、蛙さん、これでどう?」
□波□「初代大橋宗桂みたいな形から、手順は桑原辰雄氏みたいで、ごつかったです」

 桑原辰雄氏は実戦形独特の味を出すのが本当にうまい作家で、この作品ではちょっと「桑原風」を名乗るのが精一杯。ああいったセンスも才能なんだろうな、と思う。

次回詰とうほくのお知らせ+軽趣向好作選56

 次回詰とうほくについては、8月21日(土)13時からで、いつもの生涯学習センターの和室が取れました。よほどのことがない限り、開催します。二次会はどうかな?できれば黙食でなくやれるようになっていると良いのですが。

 本日は軽趣向好作選です。

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▲25銀△15玉▲16銀△26玉▲27銀△17玉
▲18銀△同玉▲54馬△28玉▲27馬△39玉
▲49銀△29玉▲39飛△同玉▲38馬迄17手。

 馬飛の威力を背景に紐のない状態で25に打った銀が18までノンストップで下っていきます。25銀や16銀に同玉は33飛成として13龍に回る筋があって詰みます。また27銀に15玉は35飛以下。25銀・15玉型との差がうまく使われてます。18銀に28玉は1手詰なので流石に取るしかなく、自然な収束につながります。この年大活躍した高橋氏、最近は休眠中のようですが、また作品を見せて欲しいものです。

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▲76金△56玉▲83角成△46玉▲47歩△同桂生
▲36飛△55玉▲65馬△45玉▲35飛△46玉
▲64馬△56玉▲74馬△46玉▲36飛△55玉
▲66金△45玉▲56馬△同と▲46歩△同と
▲35飛迄25手。

 手成りで追って5手目36飛とすると45玉で打歩詰。これをどう打開するか、というのが鍵で、47歩はまずやってみるところですが、同桂生が好手で36飛に55玉、65馬、45玉でやはり打歩詰。56馬、同とと無理やり打開しても、46歩、同とで56が空くので詰みません。
 ここで35飛とした後、64馬~74馬と一歩遠ざかる馬鋸が作者の工夫。46玉、36飛、55玉のとき、66金とすれば、今度は56地点を金が押さえているので、56馬~46歩で収束できる、という仕掛け。この後に緻密な構想作を連発する久保氏のデビュー2作目の作品。当時暗算で気持ち良く解けて、嬉しくなりつつ感心したのを覚えています。

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