« 冬眠蛙第5作品集 第1番 | トップページ | 冬眠蛙第5作品集 第2番 + 第1番解答 »

軽趣向好作選39

 パラ7月号が届きました。看寿賞は全体的にちょっと意外でした。有吉氏作の中合3回の作品や馬屋原氏の「円環の理」、あとは岸本氏の曲詰も個人的には受賞級でした。ただ、全体的にハイレベルでしたね。本当に選ばれる方は大変だな、と思います。

 さて、軽趣向好作選を。看寿賞級ではなくとも、今回も楽しい作品を紹介します。

20200705yamamoto
▲43歩△同角▲54桂打△同角▲同桂△43玉
▲42桂成△同玉▲43歩△同玉▲65角△42玉
▲54桂△43玉▲44歩△同馬▲42桂成△同玉
▲43歩△同馬▲同桂成△同玉▲65角△42玉
▲54桂△43玉▲44歩△同金▲42桂成△同玉
▲43歩△同金▲同角成△同飛▲33金△同飛
▲44龍△43飛▲33香成迄39手。

 雰囲気としてはミニ呼び出しハガシ、というところでしょうか。65角を据えて42玉の局面は打歩詰ですが54桂打から44歩で取歩駒を呼んでくることで打開できる、という仕掛け。こういう作品だと、角や桂がもっと枚数多ければ繰り返せるのにな、なんて思ってしまいます(笑)。72香は11手目34龍以下の余詰を防ぐものですが、これを角打の限定に使うあたりに作者の細やかな心遣いを感じられますね。

20200705hashimoto
▲63歩△同玉▲74角△62玉▲73桂成△同玉
▲92角生△62玉▲63歩△同玉▲74角生△73玉
▲65角△74桂▲85桂△62玉▲63歩△同玉
▲74角△62玉▲73桂成△同玉▲56角△74桂
▲85桂△62玉▲63歩△同玉▲74角△62玉
▲73桂成△同玉▲47角△74桂▲85桂△62玉
▲63歩△同玉▲74角△62玉▲73桂成△同玉
▲38角△74桂▲85桂△62玉▲63歩△同玉
▲74角△62玉▲73桂成△同玉▲29角△74桂
▲85桂△62玉▲63歩△同玉▲74角△62玉
▲73桂成△同玉▲65桂△62玉▲63角成△同玉
▲55桂△62玉▲73桂成△同金▲63歩△同金
▲同桂成△同玉▲73金迄75手。

 こちらは連取り。打歩詰を利用した角生の連取りは前例のあるものですが、桂捨合が作者の工夫で、これに対し打歩詰を回避するために85桂~73桂成とする必要があるため、結局のところ単純に12手目62玉とするのに比べて手数が稼げる、という仕掛けです。29成桂を取ってからの収束が無駄なく美しく、流石だなあと感心してしまう作品です。

 

« 冬眠蛙第5作品集 第1番 | トップページ | 冬眠蛙第5作品集 第2番 + 第1番解答 »

軽趣向好作選」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。