軽趣向好作選1
しばらく前に、「軽趣向を楽しもう!」という企画で順次香成趣向をとりあげて連載しました。個人的にはああいった形で、趣向の中身を紹介しつつ、体系的に作品を取り上げられたらな、と思うのですが、過去作品が多くて、なかなか整理しきれません。また、分類がまた難しくて、複合趣向だったりすると、似た傾向でもある日に整理したものと別の日に整理したもので違う分類になったりして、ズボラな冬眠蛙にはかなり厳しいことが判明しました。というわけで、少しトーンダウンして、保持しているものから、軽趣向で良くできているな、という作品を紹介していく形にしようかと考えております。
というわけで、再出発第一弾はこちら。
▲16飛△28玉▲29歩△同玉▲38銀△28玉
▲18飛△同玉▲27銀△17玉▲26銀引△28玉
▲29歩△同玉▲38銀△28玉▲37銀引△17玉
▲16金△同玉▲27銀△17玉▲26銀上△28玉
▲29歩△同玉▲38銀△28玉▲37銀引△17玉
▲18歩△16玉▲27銀△15玉▲26銀左迄35手。
2枚の銀を操りながら、少しずつ局面を変えていきます。18手目の局面で打歩詰になりますが、金を捨てた後、もう一度銀を繰り替えると30手目にして15金がないだけの局面に還元し、18歩が実現する、という仕掛けです。序奏を含めて軽趣向の雰囲気が良く出ており、大橋氏のいつもの作風とは少し違う、ユーモアあふれる作品でした。
ところでこの作品は趣向的には知恵の輪に分類されると考えており、また当時の解説にもそう書かれています。では、「知恵の輪の定義は?」という疑問について、冬眠蛙的には「一定の手順で元の局面に還元する手順があり、その手順を少しずつ変えることで打開するもの」というイメージで整理していたのですが、この作品の場合、「一定の手順で元の局面に還元する手順」は存在しません。ちょっと冬眠蛙の定義では整理しきれていない、ということですね。良い定義があれば、どなたかご教示いただければ、と思います。
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