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第4作品集⑳解答

ここのところ仙台は雨続きで冴えない週末となりました。ヨメさんは土日で山登りの予定だったのですが、残念ながら中止に。安全第一ということで仕方ないですね。

さて、第4作品集紹介。最後の⑳の解答です。

20170709

▲47金 △45玉 ▲56飛成△イ44玉▲55銀 △ロ33玉
▲44銀 △ハ同玉 ▲53龍 △34玉 ▲36香 △ニ35歩
▲同香  △同玉  ▲A36歩△34玉 ▲35香 △45玉
▲B56龍△44玉 ▲24龍 △ホ同馬 ▲53龍 △45玉
▲37桂 △同と  ▲46金 △同玉  ▲56龍迄29手。

○イ34玉は35香、44玉、36桂以下。
○ロ53玉は64銀、44玉、53龍、34玉、35香、同玉、36香、45玉、56龍、44玉、53銀生、43玉、35桂以下。
○ハ22玉は23龍、同玉、15桂、12玉、13香、同玉、31角、24玉、35銀、同玉、13角成、34玉、23馬、25玉、26香、同桂、36金以下早い。
○ニ・○ホ 桂(打)合は品切れ。
○A36香は45玉、56龍、44玉、24龍、同馬、53龍、45玉、37桂、同と、46金、同馬で逃れ。
○B先に37桂は同と、56龍、44玉、24龍のとき34桂打合で逃れ。

 制約美の世界である詰将棋においては「理屈は成り立つのだが、図化するのは難しい論理」というものがあると思う。変化・紛れ・作意が紙一重だと、「ある作意を成立させた瞬間に、変化が詰まなくなったり、紛れが余詰んだりする」といった事態が、ごく当たり前に発生する。このため、構想作では舞台設定がかなり重要な意味合いを持つ。
 本作の狙いは「後の局面で馬筋を遮るため、普通に香を打てるところを歩香重ね打ちする必要があり、その歩香重ね打ちをするために歩を事前に消去しておくこと」である。言葉にすると「なんだそりゃ?」であるが、最終3手前の局面が全てを物語る。

201707302

右の図がそれ。この図で36歩・35香が仮に36香一枚だったとすると、46金に対して同馬で不詰。したがって、15手目の局面で、単に36香ではなく、36歩~35香と重ねて打つ必要がある。しかし33歩が残っていては36歩が二歩で打てないわけで、このことから、55銀~44銀として事前に33歩を消去する手が必要になるわけだ。
 理論としては難しくないが、実現までの作図ハードルは相当に高かった。舞台設定を変
えればもう少し簡明に出来るかもしれないが、謎解きとしての妙味も残しておきたい。そういった意味で、本作は満足できる展開。歩消去にともなう変化が厚い分、構想発見の瞬間の喜びを解答者の方に与えられるのでは、と思う。

ss「見たことのない構想。馬筋を遮り、歩香を重ね打ちするため、33歩を消去する」
詰鬼人「序の変化がなかなか難しく、36歩から35香の団子打ちも面白い手です」
須川卓二「二歩禁がらみの作品の好作は久しぶりだ。55銀がやりにくい手になっているのも見事」
 こういった構想作は根気と着想の双方が必要。大変は大変だが、創作の醍醐味を味わえる。いつかまた、こういう作品でお目にかかり、少しでも解ける感動を与えられれば、と思う。


(詰将棋パラダイス H20・9)

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コメント

自力で解けば良かった・・・。感動を味わえたのに・・。
やはり詰将棋はこうでなければと思わせる作品。

貴殿が推薦した『短編名作選』第221番が余詰の件、一言くらい謝罪があってもよくないですか?

>>匿名希望さん

コメントで初めて余詰があることを知りました。発表時は完全扱いでしたが、どこかで不完全ということが載っていたのでしょうか。不勉強で申し訳ありませんでした。作者、角さんおよび読者の皆様にお詫び申し上げます。

柳田作の件、とんだとばっちりで申し訳ありません。
すべて当方の編集力不足のせいです(チェック不足、無理気味だったスケジュール等)。
修正図について柳田さんと連絡を取りましたら、「余詰についてはすべて作者の責任」
と男らしい発言を頂戴しております(なお、「35歩→35と」が修正図)。
来たるべき『中編名作選』についても、ぜひともご協力をお願いします。

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