不自然成駒の是非
先日結果発表しました『今月の新作番外編』について、こんな質問をいただきました。
『先月の詰将棋で成香がありましたが、こういう不自然?な配置はどのくらいが許容範囲なんでしょうか?内容がよければいいのかな。蛙さんの考えを聞かせてください。』
…難しい質問です。あくまでも私見で書きますね。
①許容して当然、というケース
成香や成桂の存在が手順の中核をなす場合です。ハガシ趣向が典型ですね。
②若干減価事項だけどまあ仕方ないかな、というケース
煙詰等の盤面条件を成立させるために、やむなく配置、というのはよくあるパターンです。
③かなり減価事項だけど場合によっては許容範囲かな、というケース
今回の作品の場合、成香を香にすると余詰が生じるだけですので、正直に書くとかなり痛いです。…が、仮にこれを回避するとして、駒数を増やさざるを得なくなった場合、総合的な作品価値が却って落ちる、ということもあるかと思います。
冬眠蛙的には1枚増えるくらいだったら多分そちらの図の方を選ぶと思います。今回のはそれも無理だった、ということです。
あと、作品のテーマに拠る部分も結構大きいと思います。普通の手筋物だとやはり目立ちますし、実戦形だとなお厳しいものになるかと思います。今回の番外編のような、ちょっと前衛的な感じの手順ですとあまり気にならないかなあ。甘えているだけかもしれないですけど。
古図式ですと結構普通の実戦形で不自然成駒が出てたりするのもあるようなので、こういった見方も時代とともに変わるものなのかもしれません。最近の風潮では、ちょっと前より拒否反応は少なくなったように感じますけど、皆さんいかがでしょう?
…ということで、その番外編にいただいた短評をコチラに掲示しました。たくさんの解答、本当にありがとうございました。
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